社長には堕とされません
ベッドで眠っていると
冷んやりとした手がおでこに触れた。
ゆっくりと目を開けると
「古都。また風邪?」
心配そうに私を見つめる直人さんが立っていた
(うん。)
「熱は高いの?ツラい?」
(少し高いけど、大丈夫だよ)
「本当に?食欲はある?お粥でも作ろうか?」
(ううん、いらない…)
「そっか、なにか必要ならすぐに言うんだよ」
(わかった。ありがと)
優しく頭を撫でてくれる直人さんの手をギュッと掴むとそこで記憶が無くなった。