社長には堕とされません
「古都ちゃんのためだったら俺何だってするよ?」
そんなこと言われても…
「………私の愛する人は世界でたった1人だけなんです…」
左手に填められている指輪をギュッと右手で掴んで
「私はこの先…社長を愛することはありません」
社長の目を見つめて言い放った
「今日はご迷惑を掛けて誠に申し訳ありませんでした。
手首の治療費はキチンと払いますので……失礼致します」
社長の部屋から逃げるように立ち去った