追憶の淡恋詩
映画の後、しばらく街を歩いた。
デパートやゲームセンターなどに行った。


デパートではあれが似合う、これが似合うと言い合った。
人ごみに遭遇した時、さりげなく彼女の手を取ってエスコートが出来た。

しかし、その手を握り続けることは出来なかった。



こうしているうちに、街は日が暮れてきた。

私達は晩ゴハンをかねて飲みに行った。
次第にいい感じに酔ってきたが、突然彼女は私にこう問いかけてきた。



「どうして私を誘ってくれたの?」



私は一瞬、言葉に詰まった。
気持ちは決まっているのだが、言葉に出来なかった。
私はこう答えた。



「前に誘った時、楽しかったから」



彼女は「ふ~ん」と少し残念そうにつぶやいた。
どうやら期待していた答えじゃなかったようだ。


告白をする目標を達成出来るチャンスだったような気がするが、ここでは出来なかった。
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