【完】君にただ聞いてほしくて
リア充爆破しろ。





「中野、あたし振られた」


「んー。ドンマイドンマイ」


「慰め下手くそかっ」




ある日の帰り道。

あたしは、振られた。



ずっと片思いしてた先輩に告白して


見事玉砕。


もう生きてく意味が見いだせません。




「ちなみにお前先輩に恋してどれくらいだっけ?」


「一週間ですね」


「うん、死んでこい」


「うっわ、小さい男。
恋に時間なんて関係ないしー」


「ちょっと誰かあの痛い人に
『頭大丈夫ですか』って聞いてくんねえかな」







「既に聞こえてますが」






同じクラスで

たまたま帰り道が同じで

たまたま住む家が隣の中野は

あたしを鼻で笑いやがった。




「まあ、そんな落ち込むなよ。
お前に似合う奴は他に……まあ、アレだよな」


「慰めて。
お願い途中で止めないで心が泣いてるから」


「今のうち孤独死問題を真剣に取り組んどけ」


「具体的なアドバイスありがとうございます」




中野は学ランのボタンをだらしなく開けながら

自転車を押していく。





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