プレイボーイ×天然な幼なじみ



 それは、龍太との距離が近すぎるから…。

 だけど、それは言いたくなくて、言い出せなくて。

 私はギュッって目を閉じた。

 龍太の顔を見なくて済むように…。

「少し横になってた方がいいんじゃないか」

 龍太が額を離す。

「龍太の、バカ。体温計使った方が早いじゃん」

 私の言葉に、龍太が舌を出した。

「仕返しだ。前に俺が気絶したとき、お前密着してたろ」

 …体温が急上昇。

 あのときは、龍太のことをただの幼なじみとしか思ってなかったから、意識してなかったけど、今考えると恥ずかしすぎるよ…。

「ほら、寝てこい。花火見に行けなくなるぞ」

 熱、ないんだけど。

「体温計で測り直す!」

 私は、電話台の下の抽斗(ヒキダシ)から体温計を引っ張り出した。


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