プレイボーイ×天然な幼なじみ



 六時五分前に、龍太が私の家のドアを開けた。

「行くぞ」

 龍太がぶっきらぼうに言う。

 黒い半袖のパーカーに、ジーパン。

 中学生の時の修学旅行に着ていた服だった。

 あのときは六月だったから、あんまり暑苦しいって思わないけど、夏真っ盛りに着られると、すごく暑苦しい。

「うん」

 私はもう一度、荷物を確認してから家を出た。

「用意ばっちりか?」

「大丈夫!」

 龍太が右手を出した。

「?」

「はぐれないように、手繋いでくぞ」

 私は龍太の右手をそっと握った。


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