プレイボーイ×天然な幼なじみ



「なぁ、お化け屋敷行かないか」

 龍太が唐突に言った。

「え?」

「お化け屋敷だよ、毎年あるじゃん!打ち上げ台の近くにさ」

 あぁ、あそこかな…。小三の時に入った場所。

 あまりにも怖くて、私大泣きしたんだっけ。

「行きたくない!」

「いいじゃん。俺が守るから」

 顔が熱くなる。ま、守る、って…!

 前にも言われたっけ。

 お化け屋敷行きたくない、そう駄々をこねた九歳の私に、龍太がそう言ったんだ。

「ほら、行くぞ」

 龍太に腕を引っ張られる。

 に、逃げられない…!

 龍太、男の子だもんね。力が強くて当然なんだ…。

 なんだか、不思議な感じがした。

 急に、男と女、っていうのを意識している。


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