プレイボーイ×天然な幼なじみ


 佳主馬と梨桜、付き合ってたのかよ…。

 悔しくて、俺は下唇を噛みしめた。

 ずっと前から知っていたんだ。

 梨桜は佳主馬のことが好きなんだって。

 アイツは、白馬の王子様に憧れていたから、きっとお金持ちの奴と結ばれるんだろうな、って、それは幼い頃から言い聞かせていた。

 それでも、悔しい。

 知っていたのに、心の奥では自分を選んでくれるだろうって願っていた。

 だけど、目の前でそれを否定されたから予想以上の衝撃を受けた。

 ただそれだけなのだ。

「……龍太?」

 麗が心配そうに、俺を見上げていた。

「これでハッキリしたでしょ?あの子はあなたじゃなくて佳主馬を選んだのよ」

 俺は頷かなかった。

 事実を突きつけられてもまだ、どこかで認めない自分がいる。

「……るせぇ」

 俺は低く呟いた。


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