プレイボーイ×天然な幼なじみ


           ★

 体育祭。

 俺は梨桜と蓮が喋っている様子を見ていた。

「蓮、これ作ってきたよ!」

 梨桜がスクールバッグから弁当を出した。

「お、サンキュッ」

 蓮がそれを受け取る。

 なんだか、見ていられなくて、俺は目を逸らした。

「……」

 ――九時。

 椅子をグランドに運んだ。

 灼熱の太陽が、俺たちを焦がそうと照りつけてくる。

「蓮、これどうぞ」

 梨桜の声が聞こえた。振り向くと、梨桜がタオルと水筒を蓮に渡していた。

「…」

「サンキュー。梨桜って、本当に気が利くよな」


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