プレイボーイ×天然な幼なじみ
蓮が梨桜の頭を撫でた。
なんで梨桜は蓮のことが好きなんだろ…。でも、梨桜が蓮のことを好きならば、梨桜が学級委員に立候補した理由もわかるような気がした。
――と、俺はサポーターを忘れたことに気付いた。
昨日洗濯して、そのまま忘れてしまった。
どうしよう、この間の練習で足を捻ったから、サポーターがないとだいぶきつい。
急に右足に痛みが走った。
こんなんで、体育祭で勝てるのか…?
「龍太」名前を呼ばれて振り向くと、梨桜がいた。「これ、使って?」
俺は、梨桜に差し出されたサポーターを受け取った。
「ありがと」
関わらないで、そう言ったのは梨桜だった。その梨桜が、声をかけてくれた。それが嬉しかった。
今、「関わるなって言ったくせに」そう言ったら、間違いなく二度と口を利いてもらえなくなる。
だから俺は、前のことは口にしなかった。