プレイボーイ×天然な幼なじみ



 麗さんの目の周りが赤い。

 泣いてたの…?

「なんでいるのよ」

 麗さんが震えた声で。嗚咽をこらえながら出す、震えた声だった。

「なんでって…」

 麗さんが呼んだんじゃないの?

 でも、麗さんがそういうってことは、違うんだよね…。

 じゃあ、誰が私を呼んだの?

 麗さんは、私を一瞥したように見て、足早に立ち去って行った。

 茫然としていると、龍太も中から出てきた。

「…!」

 目を逸らす。

 龍太は私をチラッと見てから、

「邪魔」

 そう言って、立ち去って行った。

 …邪魔って、何?

 龍太の一言が、私の胸に大きな穴をあけた。

 
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