プレイボーイ×天然な幼なじみ



 龍太SIDE

 俺といると、梨桜は不幸せに決まってる。それは、あの時「関わらないで」って言われたときからわかっていた。

 朝は、また梨桜と仲良しに戻りたかったけど、蓮といる時の梨桜の笑顔を見たとき、俺の気持ちは変わった。

 俺が梨桜を突き放せばいい。

 だから、さっきも――。

 梨桜の悲しげな表情を見たとき、胸に大きな穴が開いてしまったような気がした。

 帰路についても、モヤモヤは晴れなかった。

 さっき、梨桜はなんで教室の前にいたんだろう。

 気になって俺は、学校に引き返した。

 スニーカーを脱ぎ散らかして、三階まで階段を二段飛ばしで上った。

 疲労が溜まった体が悲鳴を上げたけど、気にしなかった。


< 154 / 338 >

この作品をシェア

pagetop