プレイボーイ×天然な幼なじみ


 電話をしてきたのは、美穂だった。

 げ…。

「はい」

 私が電話に出ると、

「なんで出ないわけ!!!?心配したじゃない!!」

 案の定、美穂の怒鳴り声が鼓膜を破りそうな勢いで耳に届いた。

「……ごめん」

「…梨桜?どうしたの、深海の底に沈んでます、みたいな声じゃん。何があったわけ」

 さっきの剣幕はどこへやら、不安そうな美穂の声が聞こえる。

「…んでもない」

「なんでもないわけないでしょ。何があったの、私で良ければ聞くわよ」

 私は、涙を拭った。

「龍太に、嫌われちゃったみたい…」

 美穂は、私が龍太のことを好きだって知ってる。

「龍太が!?なんでまた…」

「わからない。でも、関わるな、って言われた」


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