プレイボーイ×天然な幼なじみ
★ONE★

危険な香り漂う学校





 私の隣で、ポケットに手を入れて歩くのは、幼なじみの中村龍太(ナカムラ リュウタ)。腰パンしてダボダボな制服のズボンのポケットに手をズボッと入れてると、ヤンキーみたい。

 そう見えるのも、龍太の顔つきのせいかもしれない。龍太は明るい茶髪をこれでもかってくらいにワックスで立てている。顔の輪郭は細めで、顎のラインもすっきりしてる。茶色い瞳で見られると、ドキッってする人も少なくはない。

 現に私だって、見られるとドキドキすることが、極稀にだけど、ある。

 今日は高校の入学式。私が通う学校は、県内でも一番新しい学校。なんと、十年前にできたばっかり!

 私がこの学校を選んだ理由は二つ。一つは制服がかわいいから。女子の制服は、薄いピンクのブラウスと赤いスカートで、リボンも赤。ベストは羊毛でできていて、お嬢様が着ててもおかしくないかも。

 もう一つの理由は、家から近いから。私は朝に弱くて、寝坊しても大丈夫なように、近い学校だけを受験した。なんと、それを勧めたのが母親だから、笑える。私の朝寝坊に怒るより前にお母さんはあきれている。



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