プレイボーイ×天然な幼なじみ


 龍太を探す私の横を、家族連れが通り抜けていく。

 皆、笑顔で。すごくほほえましい。

 にしても、龍太どこかな?

 私は、龍太の姿を探した。

 龍太とはずっと一緒にいるから、どんな服でも見つけられる自信があるのに。なんでいないんだろ。

 まさか、まだ来てないとか?

 約束すっぽかしてるとか…?

 …って、私が信じてあげなくちゃだめだよね。

 幼なじみで、恋人なんだから。

 私は、少し場所を移動することにした。

 場所を変えたら見つかる、なんてこと、よくあるじゃない?

 少し、出口まで移動すると、見慣れた後ろ姿を見つけた。

「りゅっ…―――」

 名前を呼びかけて、口をつぐむ。

 龍太が、電話中だってことに、気付いたから。


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