プレイボーイ×天然な幼なじみ

すれ違った心――龍太SIDE




 ったく、ンなんだよ、梨桜の奴。

 遊園地に行こう、そう言ったのは梨桜のくせに。

 結局来なかった。

 風邪ひいたのなら、電話くらいくれたっていいのに。

 そう思って、電話したけど、なぜか梨桜の携帯に、電話がつながらなかった。

 俺、なんかしたか…?

 夕方、俺は駅を出て家に帰った。

 行くときは駅まであっという間だったのに、帰り道はすごく長く感じた。

 重い足を引きずって家に帰ると、母さんがいなかった。

 …?

 出かけたのか?

 ダイニングテーブルに、メモが置かれていた。

『仕事の飲み会に行ってきます。夕ご飯作っといたから、チンして食べてね。母より』

 俺は、冷蔵庫から夕ご飯を出して、レンジに入れた。

 


 
< 211 / 338 >

この作品をシェア

pagetop