プレイボーイ×天然な幼なじみ


 梨桜SIDE

 ソファの上でカピバラさんを抱きしめていると、隣の部屋からシャワーの音が聞こえた。

 私の家が静かだからか、やけに龍太の家の音が聞こえる。もしかしたら、龍太の家も誰もいないのかなぁ?

 もしかしたら、今日の電話の相手が龍太の家にいたりするの?でも、そしたら声ぐらい聞こえるよね…。

 私は、寝返りを打った。

 その拍子に、ソファから携帯が落ちる。携帯の待ち受け画面は、龍太と撮ったプリクラ。画面の中の二人の笑顔が眩しすぎて、私は目を背けた。

 私はまだ、龍太のことを信じてる…。まだ、龍太とやり直せるんじゃないかって、もしかしたら、龍太が来てくれるかもしれない、って思ってる。

 龍太がこの部屋に来てくれたら、笑顔で言えるかも。

「今日、駅に行けなくてごめん、風邪ひいちゃったんだ」

 って、言えるかもしれない。

 今なら、許せるかもしれない…。


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