プレイボーイ×天然な幼なじみ



 俺はまた、ため息をついた。

「龍太」佳主馬が、妙に改まった口調で。「昼休み、体育館裏に来い」

 御曹司は偉そうに命令して、教室へ向かう。

「龍太」

 今度は蓮だ。

「あ?」

「なんで梨桜を泣かせたんだよ。…梨桜は、お前の最後の女じゃなかったのか?」

 その言葉が、胸に突き刺さる。

「…」

「なのになんだよ、別れた原因が、他の女だって、意味わかんねぇよ!」蓮が興奮した口調で叫んだ。「俺、お前のこと信じてたのに!お前になら、梨桜を取られてもいい、って思ってたのに!失望したよ!!」

 俺は、言い返す言葉もなかった。

 悪かった…なんて軽い言葉で済ませることができないのは確かだった。


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