プレイボーイ×天然な幼なじみ
「オマエが姫いらないんなら、俺がもらう!」
佳主馬が吼えた。俺は、佳主馬を睨みあげた。
「俺のが、姫を大切にする!俺が、姫を幸せにする!」
佳主馬の口から、唾がペッと飛んでくるが、俺は気にしなかった。佳主馬の口から飛び出してきた言葉の方が、気になったから。
「ざけんな!」
俺の言葉に、佳主馬が、キスできるくらいまで顔を近づけてきた。
「戯言は、もう十分だ!お前は、ただのビッグマウスじゃねぇかよ!お前が幸せにするって言ったから、お前に姫を任せた!なのに、お前はどうした!?ン任せて、傷つけただけじゃねェかよ!」
俺の脳裏に、梨桜の顔が浮かんだ。土曜日の夕方、俺が見かけた顔。傷ついて、泣きそうだった顔。
確かに、俺には――
「あぁ、そうだな。俺は梨桜を幸せにするっつって、結局傷つけただけのビッグマウスだ」
俺の言葉に、佳主馬が勝ち誇ったような顔をした。