プレイボーイ×天然な幼なじみ



「オマエ、今真剣な話してんだぞ!何冗談言ってんだよ!」

 佳主馬が、今にも俺を殴りそうな剣幕で言う。

「冗談じゃねぇ!ガキのときのこと、思い出してみろよ!いつだって、梨桜の目線の先にはお前がいた!俺なんか、眼中になかったんだ!」

 言った直後、頬に激痛が走った。体を、地面に押し倒される。背中を打ち付けて、痛みが走った。

 何すんだよ、そう叫ぼうとした時だ。顔に何か冷たいものが落ちてきた。

「?」

「ざけんなよ…!」

 上を見上げる。

 佳主馬の瞳に、涙が浮かんでいた。

 なんで泣いてんだよ…。

 そう言おうとしたが、その前に佳主馬が口を開いた。

「姫、言ってたぞ…」


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