プレイボーイ×天然な幼なじみ



 私は、立ち上がってベランダまで出た。

 都会から見ても、空は明るくて、流星群どころか星ひとつ見えない。

「…」

 カピバラさんを、ギュッと抱きしめる。

 龍太に、会いたいよ…。

 そのとき、聞き覚えのある声が聞こえた。

 その声は、龍太の声。

 その声と、会話しているのは、女の子の声だった。

『でね、犬が歩いてたら、本当に棒にあたってたの!』

 新しい、カノジョ…?

 涙が、こぼれた。涙腺が壊れたんじゃないかって思うくらいに涙が止まらない。

 涙が、床に染みを作っていく。


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