プレイボーイ×天然な幼なじみ
龍太の女――龍太SIDE
俺が家に帰ると、ハイヒールがあった。
「佳保、いるのか」
俺の言葉に、「いるよ」という甲高い声。俺は靴を脱いで、部屋に上がった。佳保は、先週から付き合っている、大学生だ。
「龍太のお母さん、どうしたの?一緒じゃないの?」
もし、母さんがいたら、危なかった。また彼女変わったの、って言われるだろうな。母さんは、入学式のあと、そのままパートに行ってしまった。別に、昼からのバイトなんて普通だろうと思ってたから、何も思わなかった。
「バイト」
俺が言うと、佳保は「ふーん」と言って、俺の淡いブルーの制服をまくり上げた。
「…佳保、」俺は佳保を呼んだ。「別れよう?」
俺の言葉に、佳保が目を見開く。
「なんで?」