プレイボーイ×天然な幼なじみ



 梨桜SIDE

 龍太には、カノジョがいる。

 だから私は、龍太のことを忘れなくちゃいけないんだ…。

「佳主馬くん…お願いがあるの…」

 忘れたくても、忘れられないから。

 私の力だけじゃ、龍太を心から追い出すことができないから。

「…?」

 佳主馬くんが、首を傾げた。

「龍太のこと、忘れさせて…」

 私が言うと、佳主馬くんは、私の顎を掴んだ。

「何すれば、いいわけ…?」

 佳主馬くんの手の温もりが、素肌に伝わってくる。

 佳主馬くんの、整った顔が、目の前にある。

 心臓が、ドキッとした。


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