プレイボーイ×天然な幼なじみ



 俺が言うと、龍太は再び、俯いた。

「泣かせたくて泣かせたんじゃない」

 今度は、さっきより大声だった。

「俺は、姫を泣かせない」

 龍太は、ドアにもたれた。ドアが、ガタっと音を立てる。

「俺、どこで間違えたのかなぁ…。ずっとずっと、梨桜だけを愛してきたのに」

 龍太はそう言って、右目を右手で隠す。

 泣くのをこらえているのか、声が震えていた。

「せっかく、付き合い始めたのに、まさかいとこの電話一本でフラれるなんてな…」

 は?

 俺は驚いて、龍太を見た。

「オマエ、今なんて?」



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