プレイボーイ×天然な幼なじみ


 龍太はそう言って。リビングを出て行く。

 このままで、本当にいいの?

 後悔…しない?

「待ってよ、龍太!」

 私は、去っていく龍太の背中に抱き着いた。

「梨桜っ!?」

 龍太が、素っ頓狂な声を上げた。

「私、龍太のこと大好きだよ!でも、龍太には他のカノジョがいるみたいで、私のことなんか、もういらないのかな、って思ったら、悲しくて…!だから、私、私――佳主馬くんとキスしたんだよ!」

 私の言葉に、龍太が小さく呟いた。

「自分卑下してんなよ」

「え?」

「『私なんか』なんて言うな」

 そう言って、龍太が振り向いた。

 背の高い龍太は、屈みこんで私に軽くキスした。

 佳主馬くんと違って、龍太のキスは優しい。

 心が、ほわん、となる。


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