プレイボーイ×天然な幼なじみ



「ほかの連中にはホームルームの時に挨拶したけどよ、俺は天土啓太(アマツチ ケイタ)。今日からお前のクラスに入るんだ」

 …転校生ってヤツ?

 この時期に転校生なんて、珍しいな…。

「じゃ、またな!」

 啓太はそう言って、歩いて行った。

 なんなの、アイツ…。

 すごくなれなれしいんですけど!?

「野々宮さん、もう大丈夫?自転車置き場で、横倒しになってる自転車に足を引っ掛けたんだってね。あの辺は直しておくように声をかけているんだけどね…」

 私の頭の中をクエスチョンが支配する。

「え?」

「だって、天土くんが言ってたわよ?野々宮さんが、自転車置き場で倒れてたって」

 そうなんだ…。私、自転車置き場で倒れてたってことになってるのね。

 私は、ベッドから降りようとして右足の痛みに呻いた。


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