プレイボーイ×天然な幼なじみ



「オマエには関係ないだろ」

 啓太が呟く。その声が震えているのが不思議な感じだった。

「そりゃ関係ないけど…。ねぇ、なんで泣いてるの?」

 私がもう一度聞くと、

「俺の父さんさ、十一年前に死んだんだよな。で、最近になって母さんが再婚するって言いだして、それが嫌なんだよな」

 その答えに私は驚いた。

 だって、親が再婚するんだよ?新しい人生を進んでくんだから、それはいいと思わない?

「なんで嫌なの?親が前に進むんだから、応援してあげなくちゃ」

 私が言うと、啓太は舌打ちした。

「意味わかんねぇし。しかも、この歳になって新しく親父ができるって言われたって、混乱するだろ」

 私は、さっきのことを思い出した。

 二人目の母さんってのが、なんか嫌で、衝動的に家を飛び出してきちゃったんだよね、私。


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