プレイボーイ×天然な幼なじみ


「千花ちゃん、これあげる」

 僕は、握りしめていた帽子を差し出した。

 白いキャップ。

「それ、啓くんのパパのでしょ?もらえないよ!」

 千花ちゃんが、首を振った。

「いいの。大好きな千花ちゃんに、もらってほしいんだ」

 僕の言葉に、千花ちゃんは頬を赤らめて、キャップをもらってくれた。

「でも…」

 受け取っても、まだ渋っている。

「いいの、もらってよ」

「じゃあ、私もこれあげる」

 千花ちゃんが渡してくれたのは、ハンカチだった。キャンディ柄のハンカチが、キャンディみたいに端っこをねじってある。

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