プレイボーイ×天然な幼なじみ




 啓太と恋人になって、よかった。

「…そろそろ、電話きるね」

『おう』

 電話を切った後、私は嬉しさで胸がいっぱいになった。

 電話を掛ける前の絶望感は、空の彼方に行ってしまった。

 そのとき、ドアをノックする音がした。

「千花ちゃん、ごはんできたわよ」

 私は元気よく返事をして、部屋を出た。

「千花ちゃん、あのね、引っ越しするかしないかだけど、どっちがいい?」

 希実さんに聞かれて私は、

「二人で決めてください。二人の決定に私は従いますから」

 そう答えた。どっちになっても、啓太のおかげで私、後悔しないから。


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