プレイボーイ×天然な幼なじみ
「梨桜、勉強会に行こう」
私は教科書とノート、筆箱を出すと、ドアを開けた。
「いってらっしゃい」
美穂がベッドに倒れこみながら言った。
廊下に出ると、佳主馬くんが私の肩に手を置く。
「その筆箱のキーホルダー…」
「あ、龍太にもらったんだ」
筆箱についている、クローバーのストラップ。これは小六のとき、龍太が手作りしてくれたんだよ。私の誕生日プレゼントで。
泣くほど嬉しかったなぁ。
今でも覚えてる。
「君にとって龍太って、どんな存在なの?」
聞かれて私は戸惑った。
「好きな人?ただの幼なじみ?それとも――」
「…ただの、幼なじみだよ。それ以上でも以下でもない」
佳主馬くんが微笑んだ。