プレイボーイ×天然な幼なじみ


 梨桜SIDE

 私はベッドに寝転がった。

 右手にゲーム機、左手に携帯電話。

 七月に夏休みの宿題を終わらせて正解だったよ。八月は思いっきり遊べる。

 私はゲーム機の電源を入れた。

 私のソフトには龍太のデータもセーブされている。

 私のソフトなのに、プレイ時間は龍太のが多い。

「変なの…」

 なんとなく、龍太のゲームのプレイ時間が、女の子との遊び時間のように見えてくる。

「なんなの…」

 龍太はただの幼なじみなのに、何かしていないと頭の中に龍太の顔が浮上してくる。

 ただの幼なじみでいたいのに。

 龍太は恋愛対象外の筈なのに。


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