プレイボーイ×天然な幼なじみ



 そこにいたのは、佳主馬くんだった。

 スポーツキャップを目深にかぶり、モニターに向かってピースしている。

「俺だよ、佳主馬!」いつもならそう言いそうな佳主馬くんが、今日はそう言わなかった。

 キャップを脱いで、ウィンクをする。

「お姫様、王子がお迎えに上がりました」

 頭の中が、真っ白になる。

 佳主馬くんが立っているのは、インターホンがあるマンションの玄関。このマンションは住人が多いし、玄関の出入りも頻繁。

 そこでいきなり、「お姫様」とか言われると、全身が熱を帯びていく。

「えっ!?か、佳主馬くん!?」

 私、プチパニック。

「今から、一緒に出掛けない?」

 佳主馬くんが口調を変えて言った。

「よろこんで」

 私はそう言って、出かける用意を始めた。


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