プレイボーイ×天然な幼なじみ



 外に出ると、佳主馬くんが大げさな声を上げた。

「よくお似合いですよ、お姫様」

 どっちかっていうと、王子様じゃなくて執事みたいな口調だよね。

「あ、えっと、その、佳主馬くん」私はおどおどしながら口を開いた。「なんでお姫様なの、私」

 私の言葉に、佳主馬くんは悪戯っぽく微笑んだ。

「俺が王子様だもん。そしたら梨桜はお姫様だろ。それに梨桜は、かわいいし?」

 かわいい、って言葉をサラッと言われると、恥ずかしい。

 私は佳主馬くんの顔がまともに見られなかった。

「お姫様、はやめてよ、恥ずかしいもん」

 私が言うと、佳主馬くんは「そうだなぁ…」と言って。

「じゃあ、姫、ね」

 私の返事を聞かず、佳主馬くんは歩き出した。

「どこに行きたい?」


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