canson you and me ―私と貴方の歌―
FIVE☆SONG
事故
眩しい・・・。
頬に当たる強い西日。現在、4:05・・・――――
今日は学校を休んでしまった。
体中が痛くて・・・体がダルくて・・・。
私は8年前両親を亡くした。も父も病気で死んだ。私は親戚の家を盥回しにされた。
今は、遠い親戚の家で暮らしてる。
でも私は要らない・・・存在。
毎日のように、拳や蹴りが飛んでくる。
体中にある痣やケロイドは数え切れない程。
これは・・・虐待じゃない・・・。
これは・・・――――――――躾(・)
私は重たい体を起こし、水道の蛇口を開けてコップに水を注いだ。
少し口に含んだところで、家の電話が鳴った。
―――――プルルッ・・・プルルッ・・・プルルッ
『はい。もしもし・・・』
≪葛城さんのお宅でしょうか?≫
私が預けられた家は、葛城家。
私の名乗る名字は、庵影。
私の本当の名字。私と母さんと父さんとを繋ぐたった一つのモノ。
『はい。そうですが、どちら様ですか?』
≪晴琳総合病院の者ですが。≫
この県で一番大きな病院だ。
『病院の方が・・・何か・・・。』
≪先程、君のご両親が交通事故に遭い・・・つい今しがた、息を引き取りました。≫
『え・・・?』
頭が真っ白になった。
また、私の前から人が消えて行く・・・―――
あの人達が・・・死んだ?
≪葛城さん!!・・・大丈夫ですか?≫
『はい。今・・・そっちに行きます。』
私は電話を切って、すぐに着替えた。
病院はとても遠い。
電車で20分揺られた所にある。
病院に着くと、カウンターに走った。
『葛城・・・葛城ですけど。』
「え・・・?あぁ。どうぞこちらへ。」
私は看護婦さんに着いて行き、薄暗い廊下を歩いていた。
行き着いたのは――――霊安室
冷たい扉を開けてくれる、看護婦さん。
中に入ると真っ白なシーツが掛った横に長い物が2つ。
私はその端っこに行き、看護婦さんは白いハンカチを上げた。
そこにはグチャグチャになった、義父さんと義母さんの顔があった。
私は手で口を押さえて後ろを向いた。
「大丈夫ですか?」
私の背中を摩ってくれる看護婦さん。
『はい。大丈夫です。』
「どうする?まだここに・・・」
『いいえ。もう、いいです。』
私は看護婦さんの言葉を遮って、断ると看護婦さんは微笑んでこの部屋から出してくれた。
吐き気がする・・・。
「大丈夫?」
『はい・・・。』
私はその後に先生にいろいろな事を聞いた。
事故の原因は相手の車、トラックの信号無視。
病院の先生は、葬式関係の打ち合わせなどを全てやってくれた。