俺たち陰陽師!!!!!
0:prologue【序章】
暗黒の中、林の奥深くにひっそりと建つ館が灯りを灯す。
そこには1つのテーブルを囲む、多くの議員たち。
皆、深刻な表情をし、冷や汗を流す。
足をカタカタ揺らしている人もいれば、席を立ち上がりうろうろする人もいる。
その中でも、一際目立つ大きな赤いリボンを付けた帽子を被った人がいる。
見るからにおかしいが、一番位が高いだろうと思われるところに座っている。
頬杖を付きながら、口を開いた。
「みなさん、落ち着いてくださいよーー」
その声に周りは息を呑み、動きを止める。
男だと思われるその人は、帽子を取り、骨盤まである長く白い綺麗な髪を靡かせた。
「……落ち着いてなど…」
冷や汗を流した1人の人が反論をする。
「まーまー、そんな固くならないでくださいよーー」
能天気に言う男は机に足を乗っけて、帽子の中に手を突っ込みぐるぐる中をかき混ぜた。
「何が出るかな、何が出るかな出るかな出るかな♪」
「「「……」」」
周りはただ黙って見つめる。
緊張に似た空気が部屋の中に張り詰める。
すると「あっ!」っと帽子の中から何かを取りだし、机の上にソレを投げ捨てた。
カラン
コロン
机の上に投げ捨てられたのは5つの飴玉。
「こ……これは…?」
「飴だよ★」
「そうでは…ないのでございましょう?」
すると帽子の男は、帽子を深くかぶり妖艶に口角を上げ、唇を動かす。
「ワタシに、考えがあるのですよー」
男の言葉に机の上にある5つの飴玉が宙に浮き、包み紙が燃え始めた。
周りは皆、目を見開く。
燃え終わると飴玉は帽子の男の前に止まる。
「5つの狼たちが暴れますよーー。新世代の陰陽師、“狩魔師”(レクタリア)としてね…」
男の言葉に皆は息を呑んだ。
帽子の男は宙に浮かんだ飴を1つ口の中に入れた。
「面白くなりますよーー♪」
そう、帽子の男はいうと飴を噛み砕いた。
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