俺たち陰陽師!!!!!



歩いていると小さな公園に足を止めた。
その公園は芝生だけの公園。
でも。
楽しかったのは今でも忘れない。
俺は芝生の上にある木のベンチに腰掛けた。

『どうかしたか?』

「(ん?別に…)」

『主よ、普通に話しても我は聞こえるぞ』

「(変な人に思われるだろーが)」

『今更か?』

「んだとコラ」

あっと思い口を手で塞ぐ。
周りをキョロキョロ見渡すが人影はなかった。
あるとしたら街灯だけ。
頭上にも1つ、街灯が俺を見下ろしていた。

「…誰も、いない時だけだからな」

『よくぞ言った』

「意味不明だから」

はぁっと溜め息を吐く。
そして俺はあることを思い出した。
この場所の思い出を。

「ここはね、兄貴がリョーにプロポーズした場所なんだよ」

『興味ない』

「まあ、聞けって。……で、その時、俺と母さんと父さんで隠れて見てたんだ」


―――…


兄貴がプロポーズすると決めた日のこと。

「涼子、あのさ…」

「ん?なに?」

可愛かった。
これが初めて俺が涼子(リョー)を見たときの感想。
兄貴大好きな俺はそのお似合いさに何も言えなかった。

「えっと……」

さすがに兄貴も恥ずかしがっていた。

「んと……」

もじもじとしていた。

「えっとーー…」

さすがにイライラした。

「けっ…」

「け?」

「け……」

「け?」

「ケロケロ★」

「……」

しらけた。




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