俺たち陰陽師!!!!!



最悪だ。
母さんと父さんは項垂れていた。
俺も同様に苦笑いをしていた。
だけど。
涼子だけは違った。

「ぷっ、あはは」

楽しそうにただ、笑っていた。

「なにを言い出すかと思えば、なに?ケロケロって」

「えっと、違うんだ…その!!」

「ったくーー兄貴!!さっさと結婚しようって言えよ!!じれったいなぁーー……あ」

木の影から顔を出し叫んでしまったことに後悔した。
でも俺の言葉に空気は一変。
2人は顔を真っ赤にして、見つめ合っていた。
兄貴は勇気を出して口を開いた。

「……俺と…結婚、してくれませんか…?」

緊張の空気が流れた。
涼子は笑顔で言った。

「喜んでっ……!!」

そうして俺は抱き合った2人を目を細めて見つめていた。



―――…


『で、主も憧れた、と』

「ちっ、違うよ…ただ」

少しの間俺は黙り込み口を開いた。

「…ただ、幸せそうだなって思っただけだ…」

『憧れたのではないか』

「だーかーらー、羨ましいなってこと!」

『主はいないのか?』

「なにが?」

『想い人であろう』

「想い……人……」

急に言われたことに驚く。
思わずリピートしてしまった。



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