俺たち陰陽師!!!!!


そして今。
思い浮かんだのは。

―「セーちゃん」―

想ってはいけない人。
初めて見た時から。
出逢った時から。
なんとなく、予想がついていた。
胸が悔しいくらいにドキドキしてたのを。
俺は忘れてなんていない。

あの人には兄貴がいるんだ、だから俺は好きになっちゃダメなんだ、って。
考えた。
考えたんだけど。
やっぱり会う度どんどん。
想いは増していくんだ。

「あーもうっ!!」

俺は空に向かって叫ぶ。

『そうか。主は涼子とやらに惹かれておるのだな?』

「はあ!?なんでわかんだよ!?」

思っていたことがまるで見透かされているような発言をしてきたことに驚いた。

『我は主の思考がわかる』

「まじかよ……」

『それと………』

少しの合間ができたあと、また心の中で響く。

『忘れるな、主よ』

「は?」

『我は主と共に在る。この肉体と共に』

「ど、どうしたんだ…?」

『我は大魔王、ブレイクと申す』

「だ、大魔王っ!!??」

次から次へとポンポン言葉が出てきて呑み込むのに大変だった。
けど、ようやく。


辻褄があった。





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