俺たち陰陽師!!!!!
あの長い金髪。
悪魔のような尻尾。
―「坊や」―
あの女性が言っていた。
―「…そりゃあ大魔王様よぉ…」―
大魔王様。
それは、俺の中に存在しているブレイクだっていうのか。
けど。
なぜだ、なぜ大魔王という存在が俺の中に在るのだろうか。
その前に根本的におかしい。
大魔王なんて単なるおとぎ話にすぎない。
だから。
ブレイクが言っていること事態間違っていて、現実には相応しくない。
なら、本当は。
「(ブレイクは、何者なんだ?どうして心の中で通じ合えるんだ?)」
『大魔王であるぞ』
「わっ、ビックリした…」
『二度も言わせる気か、我はまさに大魔王である』
「だから、大魔王なんかこの世に……」
『今更、そのようなことが言えるのか?』
その言葉に声が出なかった。
納得してしまう。
確かに、今更大魔王と言われてもおかしくはない。
あれほど奇妙なものを見せられたのだから。
「(なら…)」
俺は顔を歪ませた。
「……この世界は、非常識になっているのか…?」
『まさしく』
その時、時間は止まったように風が吹き上がった。
それにつられて夜空を見上げると星が光輝いている。
俺は少し表情が和らいだがブレイクの言葉に身を強張らせた。
『主よ、邪悪な匂いがする』