俺たち陰陽師!!!!!



―――…


眩しい。
気持ちが悪い。
頭が痛い。
身体が、グラグラと…。

「刹那」

「ん…」

俺は目を擦り身体を起こす。
その途端、頭に激痛が走る。

「(っ…!)」

必死に頭を押さえる。

『汝、我に相応しい主と成す者か?』

響いた声に、身体が震えた。

「(なんだったんだ…?)」

あれは夢だったのか?
夢であっても。
決して良い夢とはいえない。
悪夢だ。
息苦しいし。
真っ暗だし。
何しろ。
変な幻聴まで。
しかもどんな設定だよ…。
俺が、主か?
笑わせんな。

「刹那…?」

ふと頭に何かが載っかる。
俺は反射的にソレを払った。

「……触んなっ…!!」

パシッ

俺はその正体を見ると、後悔をした。
そこには俺の大好きな兄貴の姿。
でも今は目を丸くして俺を見ている。
兄貴の手を、引っ叩いたらしい。

「……わ、わりぃ…」

「刹那…フッ」

俺が謝ると兄貴は俺の名前を呼んで可笑しそうに笑っていた。

「………な、なんだよ……」

「ごめんね、いやー、ホントに可愛い弟だなーって♪」

そんな兄貴は俺の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。

「あわわわわわっ!!やっ止めろって!!」

「可愛いなー♪」

「こっ…こらっ!!」

俺は立ち上がり、ズカズカと歩き出した。

「顔、洗ってくる!!」

「行ってらー★………っ」

バタンっと扉を閉めて、俺は洗面所に向かった。
少しだけ。
少しだけだけど、兄貴が心配してくれたんだな、と思うと嬉しくなった。

その頃、閉じた扉をただ見つめていた晃汰は眉を寄せた。

「(…一瞬、一瞬だけだけど。刹那の目が、鳥肌が立つくらい獣の目に、似てた…)」

と。
晃汰は思うのだった。
すると洗面所から叫び声が響いた。

「やっべ!!!遅刻だーー!!!」

時計は既に、8時を回っていた。






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