俺たち陰陽師!!!!!
俺は制服を着て、家を出た。
風の様に、道路を駆ける。
近所の人達には、
「あらセーちゃん、おはよう」
「また遅刻かー」
「気を付けなさいね」
「キンニクバスターー!!」
などと、応援を貰う。
まあ。
毎日そうだけれど。
「(くっそ~~っ!今日は早起きした筈なのに~~!)」
半べそで走る俺。
朝御飯なんて、食べてる時間さえなかった。
服装だって。
ボタンだってちゃんとしていない白いYシャツ。
ズボンは……まあ、ちゃんと履いてる。
学ランは手に。
学校目指して走行中。
俺は腕時計を見た。
腕時計は《8:15》と、針で綺麗に記されていた。
「(ギャーーーッ!!)」
顔から血の気が引いた。
さすがにヤバい。
この時間帯は。
20分からHRが始まる。
もう…これじゃあ。
「(さすがの俺でも無理かなっ………!!)」
別に陸上部でもないのにそんなことを思うのだった。
すると俺はいつものショートカットゾーンに入り込んだ。
木がたくさん茂る、林の中に。
ここはあまり人がいない、いや、人なんていない。
それもその筈だ。
なぜなら危ないから。
デカイ岩なんてあるし。
壊れたフェンス。
電化製品。
その他の瓦礫がゴロゴロと転がっている。
人がいない。
人が寄らない。
イコール、犯行を起こしやすい場所なんだ。
不審者とかヤンキー等が入り込んだりしているらしい。
……………まあ。
それはさておき。
「(今日はヤケに足場が悪いな)」
すると俺は地上に出てきた木の根に足を引っ掛けた。
「わあっ!!!」
俺は目を瞑った。
すると聞こえた。
あの、声。
『汝の痛みは、我の苦しみ』
辺りは眩しく光った。