毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
デート、してぇよ。
いつから御無沙汰なんだか、自分でも分からん。
なんとなく俺は、髪型を直そうとトイレに入る。
トイレの鏡で、こだわりの無造作ヘアを直して、人の多いロータリーへ出た。
「あ、伊東君だー!」
「伊東さん早いですね~!」
顔見知り程度の女性社員から、口々に声をかけられる。
・・・そういうの、俺苦手なんだよな。
彼女たちに言わせると、俺はなんとかってイケメン俳優に似てるらしい。
そんな奴知らないし、自分でイケメンだと思った事は無い。