毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「もう遅いから、家まで送りますよ。」

一人暮らしじゃないから、送り狼になる事はない。

「いえ、駅でいいですよ?申し訳ないですし・・・。」
「女性の夜道は危ないですから。送らせて下さい。」

そう言えば、大塚さんから「ありがとうございます」って返ってきた。

ここからあんまり遠くない。
迫って来る別れの時間に、自然と口数が減って来る。
月曜日会社に行けば会えるのは分かってても、それは仕事中だ。

ナビに入力した彼女の自宅は、もうすぐ。

「あ、あの家です。」

庭付きの一戸建て。
一般的な家庭より、庭が広いかもしれない。

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