毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
大塚さんはシートベルトを外して、頭を下げる。

「一日、ありがとうございました。とっても楽しかったです。」

頭を上げて、俺に笑いかけてくれるその笑顔に、胸が痛んだ。
楽しんでもらえてよかったと思うが、時間が足りないとも思う。

「俺も、楽しかったです。」

とっさにそういうのが、精一杯。



でも、それだけじゃだめだ。



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