毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
俺は大塚さんを真っ直ぐ見詰めて、勇気を絞り出す。

「また、お誘いしてもいいですか?」

外からの街灯に照らされた、大塚さんの顔が赤くなったのが分かった。

「よ、喜んで・・・。」

その顔を隠すように、彼女はうつむいてしまう。
欲しかった返事をもらえた俺は、調子に乗ってもう一つ頼んでみる事にした。

「良かった。あの、もうひとつ、良いですか?」
「はい?」



「名前で、呼ばせて頂いてもいいですか?」



松岡のように、いきなり“瑞希ちゃん”とは呼べない。
でも、あいつに負けたくないって、変な対抗意識があるのは事実だ。


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