毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「お前、キモい。」
週初めから辛気臭い顔をした北村が、昼休憩で俺のデスクへとやってきた。
こうして時々、北村は一緒に売店に行くようになっている。
「よ。ホクソンも売店か?」
「・・・そうだけど。お前、一人でニヤニヤとか、マジヤバいぞ。」
うるさいな。
内面の喜びが、表に出ちまっただけだろ?
その辺はまぁ色々察して、軽くスルーしといて欲しい。
「俺は今、脳内作戦会議中なんだよ。」
「大塚さんと、進展したのか?」
“大塚さん”。
俺はもう、そんな風には呼ばない。
「瑞希さんの家まで、送るぐらいにはな。」
瑞希さんって、良い響きだ。
北村はわざとらしく拍手して、俺をたたえた。