毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
俺は立ちあがって、歩き出す。
その横を、いつも通り北村がならんで歩いた。

「瑞希さん・・・ね。奥手なお前が、珍しく頑張ってんじゃん。」

奥手は余計だ、奥手は。
別にそういうわけじゃなくて、今まで自分からガンガン行こうと思わなかっただけだ。

・・・ん?
それを奥手って言うのか??

「送って、それからどうなった?まさか、何も無く帰ったわけじゃないんだろ?」
「無い。彼女、実家暮らしだからな。」

その返答に、北村は歩きながら吹き出す。
失礼な。

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