毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
悲しそうな笑顔を思い出すと、胸の奥がぐっと締めつけられるみたいに痛んだ。

「お前の元カノの事、バラみたいですねって。」
「バラ?」

なんで、バラ?


「綺麗なのに、毒は無いけどトゲがあって、近付けない。」


・・・ああ。
確かにそうかもしれない。

倫子には、友達と呼べる人間が少ない。
集まるのはあいつに似た、綺麗だけど刺々しいコばっかだった気がする。

「的確だな、彼女。」
「感心してる場合かよ。」
「や、そんな場合じゃないが。」
「ヨリ戻すんか?」

難しい顔を俺に向けて、北村が俺に聞いてきた。


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