毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
倫子は俺に何のためらいも無く抱きついて来て、上目づかいで見上げてきた。

その瞬間。

瑞希さんは俺がつかんでいた手を、あっさり振り払って一歩引いてしまう。


「あの、私お邪魔でしょうから。失礼します。」


いつもの笑顔で、一礼して。
俺に背を向けて去っていく。

「オバサン、ばいばーい☆」

追いかけたいのに、足が動かない。
どうしたらいいんだよ・・・。
目の前にはまだ抱きついている、倫子が居る。

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