毒草彼女 -ポトスで始まる恋ー
「だから、もう一回。あたしと付き合って。」
ぼーっとし過ぎて、返事すらできない。
倫子の話の内容をもう一度言えと言われても、たぶん覚えて無いだろう。
「あたしなら聡介と付き合ってもいいって、仲間内で承認済みなの。」
勝手に決めるな。
それに、仲間ってなんだ。
「あのな。俺は・・・。」
「ダメだよ。聡介はあたし達のアイドルなんだから。」
俺は一般庶民だ。
何処にでもいる、普通の会社員だ。
アイドルなんかじゃない。
「あたし達、聡介ファンを、舐めちゃダメだよ。」
ぜ~んぶ知ってるんだからね。
得意げに笑う、その笑顔が。
たまらなく瑞希さんを恋しくさせた。